セクハラ・パワハラ
職場におけるいじめや嫌がらせのうち,相手方の意に反する不快な性的 言動を「セクシャル・ハラスメント」(セクハラ)といいます。また,職務上の地位や権限を利用したいじめや嫌がらせのことを「パワー・ハラスメント」(パワハラ)といいます。これらの行為が私法上違法といえるかどうかについては,不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)や債務不履行に基づく損害賠償請求(民法第415条)などの要件に該当するかどうかという観点で判断されます。刑法上の観点からしますと,上記のいじめや嫌がらせが強要罪(刑法第223条)や強制わいせつ罪(刑法第176条)などの構成要件に該当する場合には,加害者は刑事責任も負う可能性があります。
なお,男女雇用機会均等法においては,性的な言動に対する対応により労働者が労働条件上不利益を受けたり職場環境が害されたりすることがないよう,事業主に対し雇用管理上必要な措置を講じる義務が課されています(同法第11条)。
また,使用者は,被用者が行ったセクハラ,パワハラが不法行為に当たる場合,使用者責任(民法第715条)を負う可能性があることに注意を要します。以下に記述する問題社員対策を講じることが求められます。